任天堂・岩田聡社長に聞く、WiiU不振「想定したどんな状況より悪い」

――1億台を売り上げた「Wii」の爆発的なヒットの後に「WiiU」の不振で赤字に陥った。

「娯楽は、浮き沈みの波が激しいのが宿命だ。波がよい方向に振れたのがWiiだった。Wiiが1億台以上売れたのは狙ったわけではなく、われわれ自身が驚いた。逆にWiiUは我々が想定したどんな状況より悪い。なんとか立て直したい」

http://www.huffingtonpost.jp/2014/05/08/nintendo-wiiu_n_5287239.html



やはりWiiUの不信を語る上では『DS/Wiiの大ヒットの後に』というのは外せない。娯楽の世界において、前の成功をそのまま引き継ぐという事は有り得ないのだと、任天堂自身もまだ完全には理解していなかったのだと思う。

ここでDS、Wiiの大ブームがもたらした、その後の戦略の失敗をまとめておこうと思う。まあこんなものは全て後付けでしかありませんけどね。


3DSの2万5000円という価格設定

やはりすべての始まりは3DSの価格発表だろう。見れば一目瞭然だが明らかに3DSが頭一つ飛び抜けている。

ゲームボーイ 1万2800円
ゲームボーイカラー 8900円
ゲームボーイアドバンス 9800円
ニンテンドーDS 15000円
ニンテンドー3DS 25000円


25000円というのは任天堂の携帯ゲーム機史上最も高額な製品だ。据え置きハード同等の価格であることから、かなり強気の価格設定だといえる。

これは私も高すぎると感じていたし、絶対早々に値下げするに決まってると確信していた。勿論、立体視のコストを考慮すれば高額になるのは仕方無いが、DSの大成功で波に乗っていた任天堂は、この価格でもユーザーは付いて来てくれると甘く見積もっていたに違いない。

本来であれば逆ザヤ覚悟で2万円は切っていたはずだ。まあその後の25000円から15000円への大幅値下げの判断は恐れ入ったが。


3DSの自社製ローンチタイトルがたった1本



もうひとつは3DSの同時発売タイトルの自社ソフトの少なさ。この事はあまり指摘されていないのだが、3DSはこれまでのハードのローンチタイトルの任天堂製タイトル数と比較しても明らかに少ない。

ゲームボーイアドバンス
・スーパーマリオアドバンス
・くるくるくるりん
・F-ZERO
・ナポレオン

ニンテンドーDS
・スーパーマリオ64DS
・さわるメイドインワリオ
・大合奏バンドブラザーズ
・ポケモンダッシュ
・直感ヒトフデ

Wii
・Wiiスポーツ
・はじめてのWii
・ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
・おどるメイド イン ワリオ

ニンテンドー3DS
・nintendogs + cats


任天堂が新ハードの同時発売タイトルを1本しか用意しなかったのは前代未聞のことだ。

通常新ハード立ち上げには、任天堂自身がそのハードの特性を活かした見本となるタイトルを先行して複数発売するのが通常だったが、3DSではnintendogsの1本のみ。サードパーティのタイトルを含めれば計8本だが、これも過去と比較しても特別多いわけではない。

25000円という強気の価格設定。しかも自社タイトルがたったの1本。これでイケると判断したのはDSの成功で慢心があったと言われても仕方がないだろう。


失敗の要因を潰すことに実はあまり意味はない



しかし慢心こそ全ての失敗の根源かというと物事はそんな単純な話ではない。任天堂はWiiU発売までの期間、上で記したような3DSでの過ちを反省し改善させているのだ。

低価格はベーシックセットで実現し、同時発売タイトルは2本と決して多くはないが、『NEWスーパーマリオブラザーズU』と『Nintendo Land』という、しっかりと作り込まれた自信作を揃えてきた。

それでも期待通りにいかなかったからこそ、岩田社長自身も「WiiUは我々が想定したどんな状況より悪い。」と漏らしたのだろう。

そしてWiiU発売から1年以上経った今では、3DS初期同様にWiiUでの過ちもハッキリしている。しかし、それら全ての過ちを改善したからといって、次のハードが成功するという保証はどこにもない。ここまで任天堂の戦略の失敗を後付けでいくつが並べたが、そんなものは何の意味も無いのだ。

結局、娯楽を作る事においては、『マイナス要因を潰すことより、プラスになる要因を作ることの方が遥かに重要』だということなのだろう。そういう意味ではWiiUは失敗の要因を潰すことよりも、このハードの素晴らしさをアピールすることに注力した方がいいだろう。WiiUにはまだまだアピール出来る部分があると思う。



スポンサーリンク