『メタルギア』シリーズの生みの親、コジマプロダクションの小島秀夫監督が、VR(仮想現実)技術について語っています。

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VRは物語を追体験するのに向いていない!? ゲーム制作者がぶち当たるジレンマ

これまでの映像体験は、スクリーンやテレビ画面といった“フレーム”にとらわれて、自分と作品の間に距離があるのが常識だった。VRによる体験は、そのフレームを取り払い、体験者を作品内に取り込む画期的なことだと感じた。ユーザーの視覚的自由度が格段に跳ね上がる一方、作り手としては大きなジレンマを抱えざるを得なかったという。

「しかし自分=主人公になったとき、そこにドラマを入れようとすると途端に難しくなる。小説も映画も、主人公の背中を追うことで追体験するわけじゃないですか。過去があったうえでの行動原理がキャラクターだとしたら、自分が主人公となるVR体験は、自分と主人公の乖離が必ず発生するんです。ストーリーテリングに向いていないんですよ。VRと近い体験ができるFPSの多くがコンバットものばかりなのは、敵と味方が存在する単純明快な行動原理と、向こうから向かってくる敵を倒すという目的、仲間を助けて平和をもたらすような簡単なストーリーだからです。それくらいしか向いていないんです」


VRはやがて必ず“日常”になる。そこからがトップクリエイターの出番!

「今年はVR元年といわれていますが、一度波が引くときがあると思います。ガジェットに流行はつきもの。iPhoneだって最初ボロクソ言われたのに、今は当たり前になりました。現在のVRは商品として捉えられていますが、普遍的になり得る概念なんです。

テクノロジーはどんどん発展していって、当たり前になっていきます。そこからがクリエイターの見せ場。どうせVRでゲームを作るなら、『なにこれ!?』と世界が驚くような、一発かますヤツが作りたいですね」

http://r25.jp/it/00053124/



VRで体験出来るゲームに向き不向きがあると言うのは、ごもっとも。 現状発表されているVR専用タイトルを見ても、アトラクションのような体感ゲームが多く、深く遊べそうなものはまだ少ないように思いますし。

今は中身が無くても、「VR対応」というだけで面白がってくれますが、それだけでは早い時期に飽きられるのは明らか。 ユーザーがVRに慣れた時、次の一手を用意できるかどうかが最も重要になってきそう。まあ結局はソフト次第ということですね。

なお、小島監督の最新作『Death Stranding』は現時点ではVRに対応しないそうです。


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