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ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)でソフト戦略・開発責任者を務める吉田修平さんのインタビュー記事が公開。「PlayStation VR」の現状や、PS Vitaの生産終了や次世代機などについて言及しています。


◆未だヒット作のないPS VR

――PS VRの状況は。期待は大きいがヒット作はまだない。

 PSVRは、ハードの普及という意味では順調に進んでいる。だが“VR元年(2016年)”でアナリストやメディアの期待が高かった。その期待のスピードで売れてないのは理解している。

一方で制作側の観点から言えば、VRの特性を理解して、気持ち良くプレーさせる経験値は急速な勢いでたまっている。メーカー同士もお互いに吸収し合い、ゲームのクオリティーも上がっている。最初はVRの目新しさだけで遊ばれていたが、慣れるにつれて徐々に本格的なVRゲームが遊びたいという期待も高まっているので、その準備をしている。

[引用元:mantan-web.jp


PS VRの問題点ははっきりしていて、VR対応ソフトは通常のタイトルよりも開発費が高くなることが複数のメーカー側から指摘されています。

しかしながら、『バイオハザード7』のPSVR利用率が僅か10%程度だったことからも分かるように、巨大な投資をして開発しても、たった10%しかユーザーが存在しないと分かっている市場に本気を出せるメーカーはいないでしょう。

大手がVR対応のAAAタイトルを連続して出せるような状況を作ることができれば普及の可能性はあるでしょうが、現状ではちょっと方法が思いつかない。



◆携帯ゲーム機市場縮小の原因

――PSVitaが2019年に出荷を終了する。携帯ゲーム機の市場が縮小したのはなぜか。

 スマートフォンは、ゲーム好きの有無にかかわらず持っているツールで、常にバッグに入れているのは大きいと思う。

そしてフリー・トゥー・プレー(基本利用料無料のアイテム課金制)で、初期にお金を払う必要がないのは非常に強いと思う。

 携帯ゲーム機の良さは、ゲームに適したユーザーインターフェースで、ボタンやスティックなど、ゲームユーザーが求めるものが備わっていることだ。しかしゲーム機を買わないといけないし、バッテリーの問題もある。さらに(据え置き型ゲーム機と比較して)パフォーマンスの制約がある。そして別途ゲームソフトを買わないといけない。スマホゲームの手軽さと比べるとハンデキャップがあった。


やはりスマートフォンの台頭を失敗の理由に挙げているようですね。

確かにスマホの影響があったことは否定しないけど、じゃあスマホさえなければPS Vitaは成功してたのか?と聞かれると、かなり怪しい気もします。

同世代の3DSはスマホの煽りを受けつつも、なんとかヒットさせているわけですし。



◆PS4の次世代機は?

――PS4の売り上げもピークに達して「次世代機が出るのでは?」という声もある。制作側から見てPS4の限界は見えたか。

 PS4は、非常にパフォーマンスが高く『ゲーム機の制約でこれができなくて困った』というよりは、ソフトをある段階で(商品として)まとめないと作り続けてしまうという“制約”の方が大きい。発売されて5年になるが、今になって初めて新作ゲームを出す開発チームがあったりするし、できることの規模に合わせて、作り続けると開発に4、5年かかることになる。開発側から見たゲーム機の世代交代は『(現行機で技術的に)できることがなくなる』というのがあるが、PS4はそれがなかなか見えない。作り手からすると“失速している”感覚はない。PS4Proの人気も高くて、不足していたりする地域もある。


――ずばりPS4、VR以外の(次世代機の)ソフトは作っていないのか。 

全くない。お話しできることも全くない。



個人的にはまだまだPS4で十分だと思うし、PS5を出すとしても、ユーザーが望んでいるからというよりは開発側の都合だと考えてしまう。

実際、SIEの社長も「PS4はいよいよライフサイクルの終盤に入る」と公言しちゃってますし、すでに社内では次に向けて動いているんでしょうね。


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